
1987年4月、Nippon Christian Institute(NCI)という団体の留学制度を通してアメリカに来た。中学三年~大学一年の合計33人の生徒がNorth Carolina州Belmontにあった大学で約4ヶ月の英語研修を受けたあと、それぞれが全米の学校に散らばっていった。
その中の大半にとっては、旅行などで来たことがあったにしろ、実際にこの国に住むのは初めてだった。中には海外自体初めてだという生徒もいた。だが円高ドル安で留学ブームになる前にここに来たみんなに共通してたのは、何か大きな志を持って留学したということ。そういう連中と共に過ごしたBelmontでの数ヶ月は、自分の人生の中で最も大切な時期の中の一つだ。
小田暁星(あきら)もその中の一人だった。だが急な話で他の生徒より一足早く出て行ってしまった。Belmontを最初に去ったのはカナダに留学した暁星で、最後までいたのはTennesseeの高校に行った自分。確か暁星だけはお別れパーティにも出れなかったんじゃないかな…。そういう理由からか、出発前夜は本人がイライラしてたという記憶がある。荷物の準備をしてる際、男子寮の仲間が暁星の部屋に声かけに来る中、とうとう爆発してみんなを追い出してしまった。その時に言ったのが「潤一と晋児とヒサハル以外は入って来ないでくれ。」 本人は怒ってたが、こっちはなんとなく嬉しかった。
俗に言う『憎めない奴』だった。要するに、ムカつくことも結構あったが、なぜか許してしまう。
英語学校を運営してた大学は、あの年を最後になくなってしまった。NCIも、あれから数年続いたらしいが、今はもう存在しない。
あれから19年が経とうとしている。33人の中の数人とは今でも連絡を取り合ってて、何年連絡とらなくても大丈夫と言っても過言ではないくらい絆が強い仲間達だと思ってる。暁星とも15年以上会ってなかったが時々メールのやり取りはしてた。大晦日に携帯から「相変わらずだけど取り合えず生きてるよ。」って送ってきたんで、元旦に返事したばかり。
その暁星が先週亡くなった。今思うと、『取り合えず』じゃなく十分しっかり生きてくれとったんよなぁ…。
Belmontでの滞在期間も後半に入った頃、日本から持ってきてた聖書の表紙裏に、みんなに寄せ書きをしてもらった。もしNCI海外留学制度第13期生の中でこれを読んでくれてる奴がいるなら、時としてホンマにアホ丸出しで明るかった暁星を象徴するかの様なこの一言で、共に過ごしたよき思い出を分かち合いたい。
「AKIRAODA 14years old せっくすがしたい! さそり座 AB型 えへへへ 又会おう!」