[映画] 硫黄島からの手紙

映画ってあまり見ないんだが、前々から興味あったし、嫁さんが見たいって言うんで、ポートチェスターの映画館まで行ってきた。


素直に、いい映画だったと思う。戦闘シーンは普通にアメリカ映画だったが、それ以外は日本人監督と言ってもおかしくないくらい、日本の雰囲気が出てたし、ステレオタイプもなければ、よくありがちな『アメリカが正義』というつまらぬ概念もない。

渡辺謙はもちろんだが、準主役なんだろうけど主役っぽかったジャニーズの二宮とかいうのもいい味だしてたし、キャスティングもよかったと思う。

内容もよかったが、それ以上に、アメリカでこの映画が人気だという事実が嬉しかった。アメリカに長年住んでると、この国の人々の大半は、アメリカがいつも正しいような感覚で生活してて、それこそ日本の戦争中の『天皇陛下』ってのを(履き違えてそうな)『自由』という言葉に置き換えて、自分の国がやってることを全て正当化するように洗脳されてるというような気がしてしまうけど、こういう映画が受け入れられるってことは、アメリカも少しは進歩したのかなぁとも思えてしまった。特に、今実際にイラクで、探してたはずの武器も見つからなければ、ターゲットだったフセインも死に、ますます意味のない戦争を続けてる中で、こういう映画に多くの人々が注目してくれたってのは、素直に喜んでいいんじゃないかと思う。中には、こういう映画を見て「日本人ってバカだったんだね。」だけで済ますアメリカ人もいると思うけど、少なくともニューヨークでは、もう少し物分りのいい人も多いはずだし。

所詮戦争なんて、政治家同士で生身の人間使って将棋打ってるようなもんだから、どちらが善悪かなんて決めようがないんだが、特にアメリカ映画の多くは結局自分達が正義だというのが多いのが事実(まぁどこの国もある程度そうなんだろうが)。そういう意味でも、もう少し、こういう映画が広まって、もっと多くの人々が戦争の虚しさについて考えてもいいんじゃないかと思った。

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