今夜は世界最大のプロレス団体WWEが毎年行なうビッグイベント、レッスルマニア。今回で23回目。これまでWWEのPPVは注文したことないんで、今回も無し。そこまでして見る気は無い。
ここ数年、WWEがマニアの前夜にやってるのが、WWE殿堂入りセレモニー。WWEに貢献してきた人間はもちろん、そうでない人間でもDVDの売り上げなど、何らかの商売につながれば、殿堂入りされちゃったりする。んで、このセレモニーは、前半がWWE.comで、後半は普通のテレビ局で放送される。
去年は、AWAのDVDセットをWWEがリリースしたせいか、WWFを天敵視してたはずのAWAのオーナーだったバーン・ガニアが殿堂入り。今年もその勢いか、AWA世界ヘビーチャンピオンとして人気だったニック・ボックウィンクルが殿堂入り。自分が日本を出る前も、よく来日し、ジャンボ鶴田が日本人で初めてAWA世界王座を獲得した時の相手もニックだった。今回のDVDセットで感じたのは、日本のプロレス中継では判らなかったけど、ニックは試合だけじゃなく、喋りも抜群に上手かったってこと。セレモニーでは、AWAでニックのマネージャーを務めてた、ボビー・ヒーナンがプレゼンテーターだった。
今回のレッスルマニアは会場がデトロイトということもあってか、かつて同地区でプロモーター兼トップレスラーだった故ザ・シークも殿堂入り。プレゼンテーターには、シークの二人の弟子である、ロブ・バン・ダムとシークの甥のサブーが勤めた。
日本では国際プロレスで暴れてたワイルド・サモアンズだが、自分が見たのは新日本のテレビ中継だけだった。当時は外人なんてみんな同じに見えてたんで、双子だとばかり思ってたが、最近買った国際プロレスのDVDで彼らの試合を見ると、顔が似てないことに気づいた。今回の殿堂入りセレモニーで歳をとった二人を見ると、もっと似てなかった。ピーター・メイビアやサモアンズを初めとするサモア系有名レスラーの殆どは家族か親戚。サムゥーや全日本で活躍中のロジー、リキシ・ファトゥー、ウーマガだけではなく、ザ・ロックもヨコズナもそうだ。、娘婿まで含むと故ゲリー・オブライトも家族に入る。プロレス界に貢献しまくってる一族。
ミスター・フジは、本名をハリー藤原といって、日本語は片言しか話せないハワイ人。以前ダラスでヨコズナの試合を生観戦してた時に、一緒に行ってたアメリカ人の友達に対するウケ狙いで、日本語で結構酷いことをフジに野次ったけど、フジがこっちを向いてニッコリおじぎしてた。最近(?)のファンにはドン・ムラコやヨコズナの悪役マネージャーとして有名だが、現役時代はタロー・タナカやマサ斉藤とのコンビで暴れまくった日系悪役。数年振りに見るフジは、歩くのも喋るのもやっとで、歳をとったという印象だったが、公の場に出てくれるだけでもうれしい。
故カート・ヘニングは、個人的な意見では、WWEやWCWといった全米規模でサーキットする団体が普通になった時代よりも、それ以前の各州に団体があって、それぞれ毎週数千人の観客を動員してた時代の方がよかったのではないかと思わせる様な、ギミックなして十分通用する選手。レスラーだった父ラリー・ヘニングを含む、家族全員でセレモニーに参加してた。
現在RAWで解説を務めるジェリー・ローラーは、今でこそ下品なネタで人気だが、地元テネシー州メンフィスでは、かなりの人気で今尚現役。プレゼンテーターは、メンフィスの実況を長年勤めてるランス・ラッセルにやってほしかったなぁ…。
RAWの実況、ジム・ロスは、かつてビル・ワッツ(日本ではワット)のミッドサウス地区でリングアナウンサーやテレビの実況を勤め、同地区がジム・クロケット・プロ(後のWCW)に買収された後も数年実況を続け、その後WWFに移転した、名アナウンサー。WWEでは副社長の一人でもある。ただ気に入らなかったのは、紹介のビデオの中で、ジム・ロスが、嘗て南東部一帯で名実況として今も語り継がれている故ゴードン・ソリーよりも素晴らしいという様なことを言ってた部分。アメリカでは『プロレスの声』と言われてたソリーを抜く人間は、まだいない様な気がする。
番組の最後に登場したのはダスティ・ローデス(正確にはローズ)。プレゼンテーターにはダスティン(ゴールダスト)とコディ。この息子達二人のスピーチも素晴らしかったが、ダスティ本人のが、期待してなかったけど最高だった。会場にいたリック・フレアーやハリー・レイス、アーン・アンダーソン、リッキー・スティムボートといった往年の名レスラー達をほめまくってた。フレアーに関しては、ダスティの息子達が喋ってる最中から泣きまくり。ダスティは長年ビンスと仲悪かったけど、去年ダスティのDVDセットも発売されたことだし、今回の殿堂入りも当たり前と言ったとこか。
さて、来年のレッスルマニアの会場はフロリダ州オーランド。フロリダにちなんだ関係者が殿堂入りするんだろうと思われるが、前述のソリーはもちろん、ジャック・ブリスコやエディ・グラハムらが殿堂入りして、今の若いファン達に昔の偉大な選手達を紹介して欲しいところだ。先日WWEは、かつてダラスを中心とした人気団体WCCWの映像も買収したため、今年WCCWのDVDセットが発売される予定なんで、来年は『鉄の爪』フォン・エリック一家の殿堂入りも期待される。
いくらただのマーケッティングのためとはいえ、色んな昔の選手達が登場して喋ってるのを見るのは、素直に嬉しい。




