Caramoorとは、自分が住むウェストチェスター郡の北部、カトナという有名人達が住む小さな町にある施設で、色んな音楽イベントが行われている。
んで、本来、今回のタイトルは、『Aaron Diehl @ Caramoor』になるはずだったんだが…。
アーロン・ディールというのは、もしかしたらアメリカよりも日本での方が有名かもしれない若手ジャズピアニスト。二年くらい前だったか、マンハッタンのセント・ピーターズ教会のジャズイベントに行った時に、彼の、独特なハーモニーと演奏法を聴いて、ぶったまげるくらい感動したのを覚えてたので、今回Caramoorに来ると聞いて是非行きたいと思った。
が、最初からジョージ・ガーシュウィンのプレリュード1~3を連発。その後は、彼が今中心に弾いてると思われる、ラグタイムやレストランのピアニストが弾いてそうな曲が続く。最後の二曲は他に比べてまだ彼らしかった様な気がしないでもないが、初めて彼の演奏を聴いた時の迫力は無い。
売れちゃったから方向性を失ったのか、たまたま最近は『初期のジャズ』に力を入れてるのか、それとも客の殆どが年寄りの白人だから、彼らにウケそうなのばかり選んだのか、よくわからんが、とにかく今回は「ただのジャズピアニストになっちゃった。」という印象しか持てなかった。ニューオリンズ風のも好きなんだけど、別に彼がやんなくても、といったとこだ。
その次に出てきたのは、かつてマイルス・デービス・オールスターズにも入ってたジミー・ヒース率いるビッグバンド。さすがにこっちの方は、年寄りの白人達がメチャクチャ盛り上がってた。時差ボケの自分は半分寝てたけど。
そしてトリ。ドミニカ共和国出身で、このカトナ在住のミッシェル・カミーロ。これまでラテン系音楽にあまり興味を持ってなかったんで、今回初めて彼の演奏を聴いたんだけど、とにかく凄かった。
弾きまくる時には、手が実際に見えなくなるくらい早い。
もちろん、そんな技術的なことだけじゃない。
まるでラテン音楽のオーケストラを、たった一人でピアノで表現しているかのような、迫力あることやってくれると思いきや、突然同じピアノかとは思えないくらいの静かで滑らかなオルゴールかと思わせるような演奏もしてくれる。
どう表現していいのか解らんけど、『ラテン(風の)ジャズ』ってより、『ラテンをジャズトリオで演奏』っつうた方が近いかも。
世界ツアーの真っ只中、ヨーロッパから戻ってきて、次に日本に行く前、会場から車で『6分』のとこに自宅があるから、参加できたらしい。




