あれから10年

『ツインタワー』こと、世界貿易センター(ワールド・トレード・センター)は、NY在住日本人の間では通称『ワートレ』。

そのワートレが落されてから10年経った。まだ10年かというより、もう10年かって感じ。ホンマ、たったこないだみたいな…。今でもクイーンズやニュージャージーを車で走ると、「そういえばワートレ、ねぇなぁ…。」って思ってしまうことがある。

実はな、今夜は珍しく、自宅でビールだけじゃなく、グラスの三分の一ほど泡盛も(奥様の許可で)飲ませていただいて、調子こいとるもんで、書こうと思えばいくらでも書けるんじゃけど、あまり政治的なこたぁ書きとうないけぇ、やっぱりやめとこ。

ただ、一つだけ書かせてもらおう。

この度、ニューヨーク州が正式に、9-11を記念する旗を作った。

そこには、「We Remember」と書いてある。

身内や知人が亡くなっとるならもちろん、この近辺に当時住んでたなら、忘れられるわけがない大惨事だった。

でも、こうして公式に「私達は忘れない」というようなことを書かれると、「んで、どうするん?」と思ってしまうのである。

覚えていてどうするのか…ってこと。アメリカ人の言う、こういう時の『Remember』を聞くと、やはり真珠湾攻撃を思い出すわけで、どうしても『復讐』という捉え方をしてしまう。

自分は広島県で生まれ育ったが、もちろん原爆のことなんか、資料で見たり体験者から話を聞いたりでしか知らない。でも、うちらは、広島の人間として、原爆も戦争も、日本と他国の問題というより、人類自体の愚かさだという教育を受けてきた。

9月11日というのが、今のように復讐や憎しみで溢れるんじゃなく、8月6日のように平和への祈りの日として覚えられるようになるように願う。

アメリカ政府にそんなこたぁ期待せん。所詮、戦争やってなんぼの国じゃけん。

でも、神様にゃぁ期待してぇな。

そう感じた一日じゃった。

「あれから10年」への1件のフィードバック

  1. ご無沙汰です。
    一見、Patriotismをinspireしているようで、Nationalismに繋げるのは、アメリカも中国も、大国のやっていることは皆同じですよね。
    日本にとっての8月6日位置付けと、September 11thが導いたもの、更に懲りもせずに民衆のマインドコントロールに政治利用している様を比較する発想は、はっとさせられました。

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