毎週日曜、教会には行ってるが、礼拝での説教中は嫁さんに礼拝堂でじっくり話を聞いてもらい、自分はというと、下の階でせがれの面倒を見ている。なるべくそうするようにしている理由は幾つかあるんだが、誤解を招く可能性があるんで、ここでは避けておこう。
礼拝堂の隣の部屋には、クリスチャン系の本が並んでるが、下の階の本棚には、幼児向けのものか、バザーで売れ残ったクリスチャン系じゃない本が殆ど。
その中で、前々から気になってた本を、先日ついつい手にとって、その場で読み始めてしまった。B・B・キングの自伝だ。
普段英語で見慣れてる色んなミュージシャンや曲の名が、カタカナで書かれてるんで、読みづらい部分もあったが、あまり本を読まない自分にしては、結構早めに読み終えたと思う。
また、クリスチャンだということを強調してる割には、やたらと性生活についても書かれてるが、その表現もまた、正直且つ自然に書かれていて、日本語訳なのに(少なくとも自分にとっては)あまりスケベさが感じられない。
結婚する前の年だったか、コネチカット州スタンフォードに彼が来るってんで、後に自分と結婚する羽目になる彼女と一緒にコンサートに行った。
アコースティックのブルースは大好きなのに、正直、彼がやってるようなエレクトリックなものは金払って聴きに行くほどじゃなかったけど、なんか、行っといた方がよかったような気がした。結果、正解だった。
世界中を飛び回って、本当の意味でブルースを広めたのは彼だってことくらいわかってたけど、コンサートに行って、改めて、彼がやってることは、南部の田舎で生まれた音楽を発展させたものだということを実感した。
アメリカの音楽ってのは、全てブルースか黒人霊歌がルーツだと思う。白人音楽であるカントリー&ウェスタンにしても、ブルースの影響は強い。両方とも南部で生まれたジャンルだ。ジャズにしたって、元はと言えばその二つとラグタイムが融合したようなものだ。
我々は、便利上、色んな音楽をジャンル別にしてしまうし、実際そうしないと説明ができないことが多い。だが、クラシックについてはよく判らないけど、少なくともアメリカで生まれた音楽については、明確な線引きができないことも多い。
多くの人達は、黒人霊歌や、それが黒人教会の中で発展して生まれたブラックゴスペルという音楽が、神への感謝からなる喜びの音楽で、その反対にブルースが憂鬱な気持ちや悲しみを歌うマイナス志向の音楽だという、簡単な分け方をしてしまうが、必ずしもそうではない。初期のゴスペルの中には、ブルースの曲調だが、歌詞の内容は神を讃えてるものもあるし、教会生活の面倒な部分や、信仰の中での警告などをブルースっぽく歌ってる曲もある。反対に、ブルースと呼ばれる音楽の中にも、悲しさが中心というよりも、ラブソングっぽいのもあれば、畑や工事現場での仕事の中での歌みたいなものもある。極端な話、ミュージシャン達の間でのことわざみたいなのにもあるように、ゴスペルの曲の中の『主』とか『神』を、『ベイビー』にすると、それがブルースになってしまうという言われるくらい(…あれ、その反対だっけ?)、似たような部分が多い。
今まで自分が感じてたそういう色々なことも、読み終わって、おそらく間違ってなかったな…って思えるようになった。
この本には、教会育ちで一度はゴスペルでの活躍を目指したのに、ロックやジャズ、ヒップホップなど色んな音楽に幅広く目を向けれるのに、自分自身の不器用さを認めながらも、あえてブルースに拘り続けた一人の人間の人生が書かれている。
色んな面で勉強になった。ジャンルを問わずアメリカの音楽をやってる人達には、是非読んでみてほしい一冊かも。
Jesus loves y’all.




