通常、大晦日には誰かを我が家に招いて紅白歌合戦を観る。毎年テレビ・ジャパンで早朝に生放送、夜に再放送だが、夜の放送は西海岸に合わせてるんで、ニューヨークでは終わるのが午前1時過ぎる。なので朝の生放送を録画して夜7時頃から観始めるようにしている。終わるのが11時半くらいなんで丁度いい。
だが今回は、ほとんど自分独りで観た。
最初は、夕飯にそばを喰いながら家族3人で観てたが、そもそも今回誰も呼ばなかったのは、COVID-19で人を招きにくいってのもあるが、嫁さんの仕事が忙し過ぎて、月末に誰かを招ける状態じゃないからだ。
そばを喰い終わると、嫁さんは仕事に戻るため、「嵐が出たらおしえてね。」と言いのこして、この期間中いつも仕事をするのに閉じこもってる2階の寝室へ。アメリカ生まれで日本語がそれほどでもないせがれは、最初からそこまで興味ないもんで、これまた2階の部屋へ。
今回の紅白は、ここ数年よりもマシだったような気がする。1つの会場に拘らずに済んだため、色んな工夫がなされてたからだろうか。ジャニーズは多過ぎるような気がしたが、毎年やってるような、演歌歌手の後ろで秋元系やジャニーズのアイドル連中を躍らすというのもなかったし。自分は結構、演歌以外を歌う坂本冬美が好きなんで、それもまたよかった。
最初はいつものブルックリン・ラガーを飲みながらだったが、途中から、近所のラーメン屋の大将がくれた高知の日本酒『慎太郎』に。
ある意味2020年を締めくくるのに相応しい、ちょっと寂しい大晦日だったが、1人というのは結構久々のような気がする。でもこういうのも、たまにはええかもな。
毎年、正月にブログを書く際、その前の1年間に書いたことを振り返るが、去年は殆ど書いてない。COVID-19のせいで大した活動もできなかったし、そのうえ、昔世話になった宣教師の先生や、行きつけのバーの常連、故郷の同級生を含め、感染とは無関係なところで数名の友人知人が他界し、友人達のそのまた友人や家族になると、プロレスラーの木村花を含め本当に多くの人達がこの世を去ったので、ブログの投稿を振り返っても悲しい話ばかりだ。しいていえば、数年前から構想だけは練っていたプロレス関連ではないウェブサイトに、やっと本腰入れ始めたのが、数少ない進歩した点だろうか。
プロレス界ではそれ以外に、以前自分のサイトのために信仰の証を送ってくれたロード・ウォリアー・アニマルや、プロ転向前にボクシングやレスリングのチャンピオンにもなった強豪ダニー・ホッジ、そしてこれまた共通の友人知人が何人かいそうなブロディ・リーらも帰らぬ人となった。
自分が最も好きな居酒屋で10年以上行き続けた『六明社』や、会合などでほぼ毎月行ってた『りき』他、ニューヨーク市内の日本人経営の店の多くが閉店。非常に残念だ。
うちの教会は、いつも使わせてもらってる教会が3月以降閉鎖になったので、他の多くの教会堂用Zoom礼拝に移行。なんとなくぎこちないし、歌もみんなで思い切って歌える状態じゃないが、その分、遠方にいるゲストを招いてお話していただくという利点もあった。教会堂自体は既に開いてるらしく、そこの牧師先生からも戻ってきていいと連絡があったが、とりあえず2月までは待つことにした。
仕事の面で特に大変な想いをすることはなかったし、自分も家族もとりあえず元気なんで感謝するべきなんだが、決して「いい年だった」とは言えない。そして、年は明けたとはいえ、1月20日の大統領就任式が過ぎても、しばらくはこの国の混乱は続くだろう。
でもここは日本人。正月に気持ちを切り替えることが、今でも多少はできるような気がする。
ミュージシャンの知人が時々言うセリフに「ブルースなくしてゴスペルなし。」というのがある。
悲しみなくして、喜びはない。
暗闇だからこそ、光が輝く。
確かに酷い年だったけど、こんな時だからこそ、イーグルスの名曲『ならず者』(Desperado)の最後の方にある、「It may be rainin’, but there’s a rainbow above you.」(外は雨かもしんないけど、君の上には虹がかかってる)というのを思い出す。
去年なんかよりも、いい年になることを祈りつつ。
Jesus loves y’all.




