RIP – やしきたかじん

[ 音楽 ]

うちの嫁さんは、結婚するまでコネチカットに住んでた。ちょっと離れたとこに住んでた自分は、毎週末、彼女のアパートに入浸りだった。

彼女のアパートに行き来するようになったころ、コネチカットのスタンフォードって町に、日本食屋を一件見つけて、早速常連客になった。

その店で働いてた、自分達と年齢が近い人達と友達にもなった。店を閉めた後、残って一緒に飲んだり、時には彼らのアパートにお邪魔したり、マンハッタンまで飲みに出かけたり。

その人達が、うちら二人に是非見るように薦めてくれたのが、『たかじんnoばぁ〜』のビデオ。

それまで、やしきたかじんってのは、歌手だという認識しかなかった。

でもビデオを見たら、これが結構面白かった。メチャクチャなおっさんなんだが、言ってることは的を得てることが多い(その反面、共演してたトミーズ雅はというと……まぁ、ええか)。時々番組中に歌うのも、なかなかよかった。

その後は自分達だけでも、たかじんが出てる番組のビデオを借りに行ったりした。

決して、言ってること全てに賛同できるわけじゃなかったが、テレビであれだけ言えるってのは凄いと思った。たかじんを見てると、仮にビートたけしが関西の芸人だったとして、全国枠を拒みながら活躍してたら、かなり面白くなってたんだろうとも思えた。

そういえば、テレビのバラエティやトークショーは、常に醒めた目で見ていたうちの親父さえもが、「(他のつまらん番組に比べると)たけしとたかじんのは、まだ見れる方じゃ。」とか言うとったなぁ…。

毒舌の司会者としても面白かったけど、実は、決して彼の曲の多くを知ってるってわけじゃないんだが、歌手としての方が好きだったような気がする。

声がいいのはもちろんだが、歌い方に感動させられることが多かった。ただ「上手い」ってだけじゃなく、歌ってる声や姿の背後に、その本人の人生が見え隠れしとるっつうか。歌手ってのはそこまでできるのが理想なんだろうけど、人気が上がってテレビにも出始めると、それが薄れてくる人が多いという印象の中、そういう面でも、彼の場合は一味違った。

こういう人って、日本のメディアにはもっと必要なんじゃねぇかなぁ…。非常に残念。

故人の魂の癒しを祈りつつ。