ガキの頃の記憶

教会に行く日とはいえ、現在うちの礼拝は12:30からなんで、少しはゆっくり寝ていたい日曜の朝。

トイレに目が覚め、時計を見るとまだ7時にもなってない。ベッドに戻ってきて、もっと寝たいと思ったが、隣にはいつの間にか、せがれが来て寝てやがる。まぁいつものことだが。

とはいえ、その時点ではせがれも全く動かず大人しくしていたので、まだ寝るチャンスはあると思った。

神様に、「もうちょっと寝たいんで、よろしく。」とか祈り、もう少しで眠りにつけるような気がしたその時…。

まだまだ寝ていたい自分は、大きな悩みをもたらすことを思い出した。

自分の弱さを責めた瞬間だった。

「なんで、このタイミングでこんなこと思い出すのか…。」と、本気で辛くなった。

落語の噺で有名な『寿限無』。小学三年生の頃は覚えてたが、今でも覚えてるだろうか。気になって寝れやしない。

とりあえず心の中で、言ってみた。

でも自信がない。

だから寝れない。

しょうがないんで、スマホを開いた。

寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポ パイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助

赤字の部分以外は、全て覚えてた。『シューリンガン』を『チューリンガン』と覚えてたようだ。

でも、それ以外は全て当たってたんで安心。やっと寝れると思った。

しかし、だ。

しばらくすると再び自分に悩みの種が襲ってきた。

あの、『ドラえもん』で流れてた歌って、どんなんだっけ…。小学六年生の頃には全て覚えてたんだが…。

大杉久美子や渡辺美里が歌ってたあの有名な主題歌『ドラえもんのうた』じゃない。

大山のぶ代が歌う『ぼくドラえもん』の呪文のような部分だ。

とりあえず心の中で、歌ってみた。

あ~ぁ! 一箇所だけ思い出せん!

しょうがないんで、スマホを開いた。

キミョウ キテレツ マカフシギ
キソウテンガイ シシャゴニュウ
デマエ ジンソク ラクガキ ムヨウ

赤字の部分以外は、全て覚えてた。『デマエ』だよ、『デマエ』!  なんでこんな簡単な言葉、思い出せなかった!?

でもこれもまた殆ど正解だったんで安心。今度こそ寝れると思った。

しかし、だ。

しばらくすると…。

これは、決してブログのためにウケを狙ったネタを思いついたわけでなく、本当に何度も自分に悩みの種が襲ってきたのである。

中島みゆきの『あの娘』って曲のサビの部分、どんなんだっけ…。中学一年生の時には全て覚えてたんだが…。

とりあえず心の中で、歌ってみた。

あ~ぁ! 一箇所だけ思い出せん!

しょうがないんで、スマホを開いた。

ゆう子
あい子
りょう子
けい子
まち子
かずみ
ひろ子
まゆみ

赤字の部分以外は、全て覚えてた。『まち子』だよ、『まち子』!  っつうか、それって他の名前みたいに、どこにでもある名前か!?

でもこれもまた殆ど正解だったんで安心。本当に今度こそ寝れると思った。

うん、寝れそうだ。本当に寝れるような気がする…。

その時だ。

寝ていたせがれが、いきなり両手を広げて、片方が自分の顔面に直撃。

「こらぁ! 父ちゃんの顔に当たったぞ! さっさと自分のベッドに戻れ!」

しぶしぶせがれが自分の部屋に戻った後、時計を見ると、目覚ましが鳴る時刻の約20分前だった。

昔からうちの姉に、「あんた、実は年をごまかした、私の兄貴なんじゃろ!?」とか言われ続けたくらいだが、そんな記憶力も、中途半端な時には負担になるということを、改めて実感した朝だった。

Jesus loves y’all.

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