Jesus: the Gospel according to Hisa:
I wish I was in New Orleans
2005年10月
テキサスでの学生時代、隣の州にある街ニューオリンズに何度も車を飛ばして行った。ただ単純に、一人旅が好きで、目的地まで車に乗ってくのが好きだったのもあるが、ジャズやブルースといった音楽だけではなく、ケージャン料理も大好きな自分にとっては、ニューオリンズで二、三泊するだけで、十分心の安らぎだった。
ニューオリンズに行く度に必ずと言っていいほど訪れる場所があった。飲食物は持ち込みも禁止、ただボロっちい小屋の中でディキシージャズを聴くという、『Preservation Hall』だ。長い列を待って入ったとこは、結構狭く、それも座れるのは前の方の数列で、あとは立ち見。バンドというと、一人か二人の若いメンバーを除いては、他は殆ど歩くのもやっとで見るからに高齢の爺さんや婆さん達だった。その頃中心的存在だったPercy & WillieのHumphrey兄弟を含む一部のメンバーは他界し、今でこそ平均年齢は下がったが、当時の Preservation Hall Jazz Bandのそれぞれの楽器をパワフルに演奏する姿に感動した。
そのPreservation Hallへ一人で聴きに行ったある日、しっとりとした感じで、途中から観客も一緒に歌い始めた曲があった。そんなのは、あそこに行けばしょっちゅう見れるシーンなんだろうが、「I sing because I'm happy. I sing because I'm free.」と繰り返し歌うその曲がすごく記憶に残った。
後にその曲を彼らのCDの中で発見し、聴いてるとすごく感動してきた。当時は黒人霊歌かブラックゴスペルの一つかなにかだろうと思ってたのが正直なところ。 以前からMahalia Jacksonは聴いてたが、この頃からだんだんとブラックゴスペルをよく聴くようになった。ちなみに数年後知ったんだが、その『His eye is on the sparrow』という曲、 黒人霊歌でもブラックゴスペルでもなく、昔からある賛美歌の一つで (インマヌエル讃美歌500番『一羽のすずめ』)、よく黒人ミュージシャンにより演奏される曲の一つらしい。 いずれにせよ、その曲に出逢うことにより、ゴスペルを聴くようになり、歌詞の意味を噛締めていく中で、自分はクリスチャンだと いうことを再認識するきっかけになったのは事実。
ハリケーンによる災害でとんでもないことになってしまった、自分の大好きな街ニューオリンズも、観光地のフレンチ・クォーターはだんだんと復興してきているらしい。とはいえ、実際どうなのか知らんが、おそらくその周りに住んでた人達は、未だ辛い想いをしてるのではないかと推測する。
本当にめちゃくちゃだった自分の大学時代に遊びに行ってたニューオリンズをも、神様は自分を信仰へと引っ張り戻す方法の一つとしてくれた。今はまだボロボロかもしんないけど、再び自分が大好きな街としてよみがえることを祈りつつ…。
I wish I was in New Orleans
by Tom Waits
Well, I wish I was in New Orleans I'll drink you under the table and deal the cards roll the dice |
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