今夜はマンハッタンにあるハイライン・ボールルームまでクリスタル・バワーソックスのコンサートに行ってきた。
彼女については5年前に書いたんで詳しい紹介は省こう。
3日前の日曜午後、教会の人達と一緒にりんご狩りに行く予定にしてたら、なんと前日になって彼女が、うちから1時間ほど離れたとこにあるバーで夜に演奏することを知った。もしかしたらりんご狩りから早めに帰ってきたら行くのも可能かと思ったが、案の定無理だった。
気になったんでウェブサイトを覗いたら、なんと自分が仕事で出る水曜日にマンハッタンで演奏だとか。こりゃチケット買うしかない。すかさず嫁さんに頼み込んで許可を得た。
そして今日、マンハッタンのお客さんとこでの仕事を終え、開場まで時間が十分あったんで、紀伊国屋書店に寄ってみた。そしたらなんと、友部正人がいた。ニューヨークにはしょっちゅう来てるのは知ってたが、前々から、あまり人と話したがらないとも聞いてたんで、「友部さんですか? ファンなんです。ただそれだけなんですが。」という挨拶程度で済ませた。クリスタルのコンサートに向かう途中に友部氏と遭遇とは、神様も意味が深そうなことをしてくれるわい…。
会場に入ると、集まってる客は、自分を含む3、4人以外全員白人。それも殆どが50代以上で、70代っぽい人達も。まるでカントリー音楽の演奏でも聴きにきたみたいだ。
んでそのクリスタル、以前は、アコースティックギター一本でシブく決めてる印象だったけど、正式にデビューしてアルバムに入ってる曲などはロックバンド系のアレンジになってる曲も多く、残念な気がしてた。正直、今回もそういうステージになるんだろうという不安もあった。
だが、彼女が連れて出てきたのは二人だけ。一人はくウクレレ、もう一人はキーボードで、脇にはバスドラムとアコーディオンを置いている。キーボードとはいえ、終始ピアノの音しか出さなかったんで、全体的にアコースティックっぽかった。ハーモニーもよかった。
殆どが彼女のオリジナルで、しかも自分が知らん曲の方が多かったが、これだけ知らん曲の連発で感動させてくれたコンサートって、もしかしてこれまでなかったかも。
それも初めて見た頃の彼女のままだったんで、そういう意味でも嬉しかった。
アンコールは、レナード・コーエンの『ハレルヤ』で、間に『Amazing Grace』を入れた。数多くの人達がカバーしてて、正直ありきたりだが、今までで自分が最も気に入ったバージョンかも。
ところで、隣のテーブルにおばちゃん達が4人くらいで座ってたんだが、その中に20代っぽい女の子がいて、アンコールの頃には、「ごめん、こっちの方が見えやすいんでね。」とか言ってこっちのテーブルに座ってきた。時々自分に話しかけてきて、終了後には、なんと電話番号まで訊いてきた。
「そりゃないな。」って言うと、「え? もしかして結婚してんの? だったら指輪くらいしないと、奥さんに失礼でしょ!」などと言ってくるんで、「昔から指や腕に物を付けるのが嫌でね。ピアノも弾くし。」って言い返したら、その子は元のテーブルに戻り、「ピアノ弾くから指輪しないとか言ってる…。」と、周りのおばちゃん達に報告。
「ホンマかいな」とか「別に理由があったりして。」とか、そのおばちゃん達も色々言ってたみたいだが、この歳になって、若い子に電話番号聞かれるのって、決して悪い気はしない。(笑)
何はともあれ、クリスタルの場合、大きなアリーナより、今回のようなライヴハウスっぽい場所がちょうどいいような気がする。
次回この近辺に来たら是非また聴きに行こう。
そういえば、今夜はビリー・ジョエルもマディソン・スクエア・ガーデンでの月例公演だったとか。
でもやっぱ今回はクリスタルでよかった。




