最後のシーンまで、色々あったような気がするが、殆ど忘れてしまった。
平日だったと思うが、まだ昼間。病気か怪我か、またはただのぐうたらか忘れたが、何等かの理由で、自分は二階のベッドに寝たきり。
下からは、時々誰かの声がする。が、その辺もあまり覚えてない。
誰かが帰ってきたらしい。平日の昼間なんで、嫁さんじゃないはずなんだが…。
階段を上がって来て、廊下を通り、自分が寝てる部屋に入ってきたのは、なんと、親父。夢に登場するのなんて、いつ以来だろうか。
それも、酔っぱらってて、全然まっすぐ歩けてない。昼間っから飲むような人間じゃないのに…。
仕事着だったが、それもまた汚れてたり、破けてたり。そうとう飲んでたらしい。
これまで、親父がベロンベロンに酔っぱらって帰ってきたという記憶は、二回しかない。両方とも、当然夜遅くだったし、変に笑顔だった。
でも今回は違った。表情一つ変えない。
フラフラになって歩いてるその後姿が、やけに寂しそうだった。
自分自身に対してイライラしてたから飲んだというより、家族に対する不満があったということが、夢だったから、すぐに判った。
わしのことで悩んどるんか…。
そういう、親父の気持ちが判ってるのに、真昼間から酔っぱらって帰ってきたもんで、自分も思わず、
「ほんま、何しようるんや!」
って怒鳴ってしまった。
そしたら、親父は、これまた表情を全く変えず、メガネを外して、こっちの足の方を目がけて投げつけてきた。
再び思わず、
「こらぁ!」
って怒鳴ってしまう自分。
そこで目が覚めた。
その瞬間、隣に寝てた嫁さんが、ため息をつきながら寝返り。
しばらくすると嫁さんがベッドから起き上がって、ゴソゴソし始めたんで、
「なぁ、さっき、わし、なんか声出しとった?」
って聞いてみたら、
「うん。気のせいか思ったんじゃけどね…。夢でも見たん?」
最後のシーンしか覚えてなかったけど、とりあえず説明した。
自分には今、幾つかの葛藤があって、毎朝毎晩それについて祈ってはいるんだけど、なんか今朝の夢は、親父に、
「しっかりせぇよ!」
…みたいな感じで、活を入れられたような気がした。




